東洋医学の知恵で秋を健やかに過ごす—肺経

2024年10月13日

肺経(はいけい)について

肺経は、呼吸器系を中心とする経絡であり、主に肺、皮膚、鼻に影響を与えます。
陰陽五行説では、に対応しており、この季節に肺経のバランスが乱れると風邪を引きやすくなるなど、呼吸器系の不調を引き起こしやすくなります。

肺経の特徴と働き

  • <位置>肺経は胸の中央から始まり、肩を通り、
        腕の内側を通って親指の先に至ります。
        このルートに沿ったエネルギーの流れを
        整えることが、呼吸や免疫力を高めるとされています。

  • <働き>
    呼吸の調整:肺は呼吸の要であり、酸素を取り入れ、
          二酸化炭素を排出する役割を持ちます。
          肺経が活性化すると、呼吸が深まり、
  •       心身の浄化が進みます。

    • 皮膚の健康:肺経は皮膚の健康とも関わりがあり、
            皮膚を通じて体内の毒素を
            排出する働きがあります。

    • 免疫力の向上:肺経がバランスを取ることで、
             風邪やインフルエンザなどの
             外的な病原体に対する抵抗力が
             高まります。




      秋の養生法に取り入れるヨガのポーズ

  • 秋の養生法にヨガのポーズを取り入れることで、東洋医学の「肺」を潤し、
    心身のバランスを整える効果がさらに高まります。
    ヨガは深い呼吸を通じて「気」の流れを改善し、
    身体のエネルギーを高め、心の安定を促します。

    スタジオでは、肺の経絡をさすったり、ゆすった後、
    ヨガのポーズにはいっていきます。
    以下に、秋の養生法に役立つヨガのポーズをご紹介します。

    1. 肺を開き、呼吸を深めるポーズ

    秋は肺を潤すことが大切です。
    肺を開くポーズを行うことで、
    呼吸が深まり、酸素の吸収が促進されます。

    • 魚のポーズ(マツヤーサナ)
      魚のポーズは胸を大きく開き、呼吸を深めるポーズです。
      胸部を広げ、肺のスペースを広くすることで、
      乾燥しがちな秋の空気を取り入れやすくします。
      気持ちも前向きになり、ストレスを軽減する効果も期待できます。

      やり方: 仰向けになり、両腕を体の下に置きます。
      胸を天井に向けて持ち上げ、頭頂を床に軽くつけ、数呼吸行います。

    • 猫のポーズ(マールジャリャーサナ)と
      牛のポーズ(ビティラーサナ)の組み合わせ

      キャット&カウ
      ですね。
      これらのポーズは、胸を開き、背骨を柔らかく動かしながら、
      肺の働きを活性化します。
      呼吸を整えるために、ゆったりとしたペースで行いましょう。

      やり方: 四つん這いになり、
      息を吐きながら背中を丸め(猫のポーズ)、
      吸いながら背中を反らせて胸を開く(牛のポーズ)
      動きを繰り返します。




    2. 潤いを保つためのリラックスポーズ

    乾燥しやすい秋には、心と体をリラックスさせ、
    潤いを保つことが重要です。
    ゆったりとしたヨガのポーズを取り入れて、
    深い呼吸とともに全身をリラックスさせましょう。

    • 子供のポーズ(バラアサナ)
      子供のポーズはリラックス効果が高く、
      体を内側から潤すような静かな時間を提供します。
      このポーズで深い呼吸を意識することで、
      肺を優しくケアし、気の流れを整えます。

      やり方: 膝を曲げ、かかとの上に座り、
      上体を前に倒して両手を前方に伸ばします。
      おでこを床につけ、呼吸に意識を集中します。


    3. 体の気を巡らせるポーズ

    秋は冷えが増す季節でもあるため、
    軽い運動で血液と気の巡りを良くすることが大切です。
    気の滞りを解消し、全身を活性化させるために、
    以下のポーズが効果的です。

    • 三角のポーズ(トリコナーサナ)
      三角のポーズは体の側面を伸ばし、肺を広げると同時に、
      気の流れを促進します。
      体の気の流れが整うことで、
      内臓の働きも改善され、乾燥を防ぎます。

      やり方: 両足を大きく広げ、右足を90度外側に向けます。
      息を吸いながら右手を右足に向けて体を倒し、
      左手を天井に伸ばします。
      数呼吸キープしたら反対側も行います。

    • 立位前屈(ウッターナサナ)
      立位前屈は、全身の気血を巡らせ、
      心身のリフレッシュを促します。
      軽く体を動かしながら、気の流れを促進し、
      秋特有の冷えや滞りを解消します。



      やり方: 両足を腰幅に開いて立ち、
      息を吐きながら上体を前に倒して手を床に近づけます。
      膝は無理せず軽く曲げて、数呼吸キープします。


    4. 心を穏やかに保つためのポーズ

    秋は感情が揺れやすい季節でもあるため、
    心のバランスを取るための瞑想的なヨガのポーズも大切です。

    • 屍のポーズ(シャヴァーサナ)
      ヨガの最後に行うリラクゼーションのポーズで、
      体と心を完全にリラックスさせます。
      このポーズで深い呼吸に集中することで、
      心が落ち着き、気持ちが安定します。
      秋の寂しさや不安感を和らげる効果があります。

      やり方: 仰向けに寝て、両手を体の横に置き、
      手のひらを上に向けます。
      全身の力を抜き、深くゆったりとした呼吸を続けます。



    • これらのヨガポーズを秋の養生法に取り入れることで、
      東洋医学の知恵とヨガの力が相乗効果を発揮し、
      心身ともに健康な状態を保つことができます。
      皆さんも、秋の乾燥や気温変化に負けず、
      心と体を整えるための時間を大切にしてください。